心をのばす子育て

障がい児がだすサインの解読法

乳児期の睡眠

【乳児期の睡眠】

 

「心をのばす子育て」はEQを伸ばす子育てです。

「心をのばす子育て」の土壌づくりは乳幼児期から始まります。

(いや、胎教という言葉もあるので胎児期からかも。

昔やった退行催眠では胎内での気持ちや出産時の事を話す人もいましたから。)

 

さて新生児期(生後28日頃まで)は夜中の授乳など大変な時でもありますが、

その時期を過ぎて乳児期に入るとだんだん睡眠のリズムもできてきます。

 

時折の寝かしつけの苦労や夜泣きは、日々の成長を見る喜びで帳消しになり、

通常、睡眠についてはあまり気にしなくなるでしょう。

 

でも、中には寝付くまでの寝ぐずり、寝はしゃぎが長い、

また夜中にパッチリ、目を覚まして起きて遊んでしまう、

睡眠のリズムがなかなか整わず母親を悩ませ不足にさせてしまう、

寝かしつけ、睡眠に手のかかるこどももいます。

 

 その一方で、日中泣くことも少なく大人しい、夜は夜でよく眠り、母親にとっては

手のかからない育てやすいと思われる子どももいます。

 

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すやすやの寝顔は癒し

 子どもの食欲の有無は心配の種ですが、

発育が順調だと睡眠のリズムの乱れは見過ごしてしまいがちです。

しかし、睡眠と覚醒のリズムがなかなか整わない状態は、

小児神経科のお医者さんの話によれば要注意!

 

 寝すぎても寝なさ過ぎても睡眠障害の萌芽があるとのこと。

睡眠のリズムは発達障がい有無の重要なチェックポイントです

 

 

1歳を過ぎても睡眠のリズムが整っていないと不安を感じるのならば、

改善に向けて積極的に介入していく方が、

発達障がいのリスクの軽減に繋がるのではないかと考えます。

 

 睡眠のリズムを作るのは脳の働きです。

その脳づくりのためには、まず太陽の運行に合わせて生活リズムを整えて

いくのが良いでしょう。

 

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朝焼け夕焼け

 朝、おとなしく寝ていてくれる方が助かるからと

いつまでも寝かせて置いたりせず、しっかりと目覚めさせ、

きちんと朝食を取らせましょう。

そして、日中は太陽の光を浴びさせ、十分に体を使って遊ばせます。

 

 夜、なかなか寝ないからと言って、大人に付き合わせて

遅くまで起こしておいたり、連れ歩いたりすることがないよう

決まった時間には就寝させることが大切です。

子どもの生活のリズム自然界のリズムに合わせるようにし、

睡眠と覚醒のメリハリをきちんとつけていく事が必要です。

 

 乳幼児にはよく見られる傾向ですが、布団に入れてもなかなか寝つかない、

眠気がでると逆にハイテンションになり興奮状態(寝はしゃぎ)が続くなど

入眠まで時間がかかる傾向がみられる場合は、

 スムーズに入眠出来るよう、寝室の光や音などの工夫が必要でしょう。

 

テレビ,DVD、スマホなどの強い視覚刺激は控えめにしたいものです。

 

ところで、眠っているばかりの乳幼児期であっても、

赤ん坊の意識は働いているということを忘れてはなりません。

当時、療育していた自閉症男児のお母さんが相談してきました。

 

 息子が父親になかなか懐かない。父親は可愛がろうとするのに、

むしろ避ける傾向さえ見せる。

お母さんが思い当たる事と言えば、男児は乳幼児期に夜泣きがひどく、

父親は寝不足でイライラしてしまい、息子を怒鳴ってしまったことがあった、と。

その時に、父親は怖い存在として男児の潜在意識の中に

刷り込まれたのかもしれませんね。

 

 

また、広汎性発達障がい(自閉傾向あり)の小学生高学年の娘をもつ

お母さんから驚愕したという話を聞かされました。

 

 娘がある時お母さんに「私、寂しかった。」と言って来た。

お母さんはびっくりして「えっ、いつのこと?」と聞くと

娘は「赤ちゃんの時。」と答えた。

「赤ちゃんの時?」と聞き返すと、

「お母さんはいつも私を置いて出かけていたでしょ!」と言った。

お母さんは絶句、鳥肌が立った。

 

確かに娘はよく寝る子で、泣かないし、手のかからない子どもだったので、

お母さんは娘を寝かしつけて、近所によく出かけていたことを思いだしたそうです。

 

このような類の話をたびたび耳にするにつけ、

赤ん坊は言葉では表現しないけれど、

脳には様々な事が記憶されているのだ、ということに驚かされます。

 

上記の自閉傾向女児もそうですが、少年期から青年期への変わり目の時期

そして、言語表現が可能になった時期に封印されていた乳幼児期の記憶を

話す子どもが結構いました。

 

その一例

幼稚園年長の時、こばとに療育を受けに来たアスペルガータイプの男児

其の頃は、自閉症状が強くありましたが、言語能力も伸びて

小学校高学年の時に話してくれたこと。

 

1歳の時にディズニーランドに行った。楽しくなくて嫌だった。

 

後でお母さんに確認すると、確かに1歳の誕生日に祖母と一緒に行ったが、

帰宅後熱を出した、と驚きながら話してくれました。

 

それで男児には嫌な記憶として残っていたのでしょう。

 

大人しい、手のかからない子と思って、スキンシップをおろそかにしたり、

泣き声がうるさいと、言葉の暴力を浴びせるのは子どもの脳に

ネガティブな記憶を残してしまうかもしれません。

 

デーヴィット・チェンバレンの「誕生を記憶する子どもたち」

というすごい本もあります。

 

 

 

 「心をのばす子育て」は人格育てでもありますね。

 

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脳はすべてを録画する?