心をのばす子育て

障がい児がだすサインの解読法

初めての集団選び

どの進路が最善?

 

 

 3歳、4歳近くになると子どもを集団に入れようか、どうしようか

迷い、考えることも多くなるでしょう。

ついつい、同じ年齢の子どもと比較して気持ちも落ち込みがちになります。

 

名前を呼ばれても反応が遅い、

自分ペース過ぎて順番が待てない、

着席が合つづかない,

集中が短い、自分の興味のあることしかやらない、

言葉の指示が入りにくい。

同じ年頃の子どもに関心を示さない・・・等々。

 

集団に入れたいと思いつつ、これでついて行けるだろうかと悩む反面

集団に入れればよい影響を受けて変わるんじゃないか、と期待する気持ちもあります。

しかしながら

自閉症児は楽に出来る悪い事は真似しやすいですが、

努力を要する良い事の模倣はまずしてくれません。

 

一方、自閉的症状を持つ子どもにって、

大人と自分だけの環境は安心できますが

子どもの集団は楽しいどころか不安に満ちた未知の世界です。

 

周りの子ども達の予測できない行動や、理解のできないお喋り、

何を意味しているのか分からない動作、

甲高い声、ざわめき・・・。なにもかにもが落ち着かない不安な気持ちにさせます。

居場所が見つけられず、早くその場から逃げ去りた言気持ちにさせる環境です。

 

大人は自分に危害を加えない、気持ちをくみ取ってくれる安心できる存在。

一方、子どもの集団は何を言っているのか分からない、反応が予測できない

大声や、甲高い声、叫び声、泣き声は不安感を引き起こすだけ。

 

他人と関わることが苦手、というより人を意識しにくく、

模倣する気持ちのない子どもは集団に入れただけでは、

自閉的症状が改善していくことは期待できません。

 

集団の効果を出していくためにはどのようなカラーの集団を選ぶかが

ポイントになるでしょう。

自閉症児にとっても最初の集団は人格の基盤ともなる重要なステージです。

しかし、

 

居住地によっては色々比較して最善の集団が選べるとは限らないし、

受け入れてくれる集団も限られてしまうかもしれません。

ですが、選択肢が少なくても、集団の効果が期待出来る

望ましい環境かどうか見ておく必要があります。

 

チェックポイントとしては、次のようなことがあげられるでしょう。

 

① 危険なことをしなけえれば自由にしてよい、というだけの環境だと

  ますます自閉症の自分ペースを助長、指示に従おうとしなくなるので、

  ある程度の規律、メリハリのあるカリキュラムがあるかどうか。

 

② 逸脱した行動の一つ一つに叱責や注意ばかりが多くなると、

  子どもは自分が否定的に受け止められていうと感じ、

  警戒心が強くなって良い人間関係が育ちにくくなります。

  不適切な行動、人の気を引くための困った行動をした時に、

  正しい方向に導いてくれる理解ある保育者がいるかどうか。

 

③ 自閉症児は特別な配慮・支援がない環境では、周囲の他の子ども達の動きが

  理解できなかったり、変化の多い活動では見通しが持てません。

  そのためストレスを感じて情緒が不安定になったり、

  こだわりや自傷行為、自己刺激が強まったりする場合があります。

  なので受け入れ側の集団に見通しが持てるような配慮、

  支援をしてくれる体制、方針があるかどうか。

 

④ 介助してくれる保育士が付きっきりでフォローしてくれれば、

  子どもは安心して集団の中に入ったり、活動に参加するかもしれません。

  しかし、それでは集団や友達を意識する気持ちが育たず、

  集団の中にいても保育士と二人だけの世界になってしまいがちです。

  介助するだけでなく周りの子ども達と関わりを持たせる工夫・配慮をする

  障がいに理解のある保育士かどうか。

 

①~④を考慮し、子どもに合う集団を探したいものです。

 

そして何より大切な事は

子どもが自分は拒否されていない、

好意を持って受け入れられている、と感じさせう集団であることです。

発達障がい、自閉症の子どもは周りの人が自分をどう思っているかを

言葉には出さないけど敏感に感じ取る側面を持っています。

最初の集団での経験が、その後の子どもの行動に大きく影響を及ぼします。

誤学習をさせないで、良い対人関係を育てるためにも

自分が好意的に受け入れられていると感じる集団が大切です。

 

最初から幼稚園、保育園では厳しいかな、と思う場合は

障がい児教育の専門家のいる発達支援施設、通園施設の選択もあります。

日常生活における基本的な動作の指導、

集団生活への適応のための訓練を受ける事ができます。

自閉症状が強く、不適切行動が多い子どもの場合はいきなり幼稚園より

子どもにとって負荷が小さく集団に慣れて行きやすいでしょう。

通園施設で集団生活への地ならしをしてから、

幼稚園、保育園へ移行する子どもも多くいます。

 

健常児と関わらせたい、という思いの強い親御さんもいますが

子ども目線で考えた方がプラスになることも。

 

 こばとの幼児教室に通っていた言葉は出ていたけど

自閉症状の強い男児がいました。

知的にもそれほど遅れはないと親御さんは地域の幼稚園に通わせました。

しかし、園では男児の逸脱行動に寛容ではありませんでした。

脱走があったり、行事の時に欠席を求められたために、

年長なってから通園施設に転園したというケースもありました。

 

 

①~④のチェックポイントを考えたうえで

少なくとも集団の良い影響、効果を出すためには

子どもが自分は好意的に受け入れられている、

否定されてはいないと感じ安心して過ごせる集団を選びたいものです。

 

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子どもは集団の中で伸びていく