心をのばす子育て 序
こんにちは、こばとです。
35歳から発達障がいの子ども達に関わって40年近くになります。
平成元年の年にはこばと治療教育センターと言う私設の療育機関をたちあげて、
専属のスタッフとともに、平成最後の年まで運営していました。
2歳児から受け入れ、かれこれ600人近い子どもと関わったでしょうか・・。
10年以上通ってくる子どもも何人もいましたし。
令和1年と2年はその頃の記憶をもとに、「自閉症の世界」というブログを
書いてきましたが、もっと子育てに役立つものを、と思い
「自閉症の心をのばす子育て」というテーマで再出発することにしました。
「自閉症の世界」と合わせて読んでいただければ嬉しいです。
「自閉症の心をのばす子育て」
赤ちゃん誕生!は
未来、希望の誕生でもありますね ‼
赤ちゃんは存在するだけで笑顔を引き出し、幸せのお裾分けしてくれます。
寝ているだけの赤ちゃんをいつまで見ていても飽きないという人もいるし
自然発生の新生児微笑を見て、笑った、笑ったと喜んだりもするでしょう。
街中で、乳母車の赤ちゃんを覗き込んで
満面の笑みで話しかけるお年寄りのなんと多い事か・・・・。
それに、赤ちゃんの表情は、知性や徳をたたえているようにも見えるのです。
穏やかな出産法(バースサイコロジー)を提言したフレデリック・ルボワイエ博士の著書、1974年初版の 子どもは誕生をおぼえている「暴力なき出産」に掲載された
出産直後の赤ちゃんの顔のなんと神々しいこと。
しかし、赤ちゃんの顔を見ているだけで満たされ、幸福になる期間は短く
その後の長い長い子育て期間は山あり谷あり、喜び、悩み、の連続です。
さらに、5体満足でうまれ、順調に育っているかに思えたのに
1歳を過ぎる頃に、発達に不安を感じさせる子どもがいます。
いや、1歳半すぎまでは普通に育っていたのに、2歳近くになって不安が現実になる、折れ線型の自閉症の子もいます。
目が合わない、指差ししない、共同注視ができない。
呼んでも振り向かない、食べていた食材をいやがり偏食がひどくなる、
制止を聞かず、無目的に動き回る。
なかでも、言葉が出ない、出ていた言葉が消えた、は一番大きな不安要素。
乳幼児期の子どもの発達に不安を感じるお母さんは
迷い、悩み、打ち消しては迷い・・を
乗り越えて病院や公的機関を訪れることでしょう。
乳幼児期の発達検査は難しく、正確な診断を下せるものではありませんが、
発達段階の手がかり、育児の指標は示してもらえます。
子ども自身が検査に応え得る状態でない事が多いので
親への聞き取り、問診があります。
その時によく使われるのが遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表。
現在は、九大小児科改訂版が使われているようですが、
こばとも幼児教室の初会面談の時は、その場で観察できること以外の
普段の生活の様子を知る参考にと、活用しました。
昔の検査表は「運動」「社会性」「言語」の評価ではなく、項目毎にEQで評価するようになっていました。
EQ(心の知能指数)精神年齢。
知的、運動面は手取り足取り忍耐・努力で、ある程度教えることは出来ますが、
社会性の伸びに繋がる心は、言葉や文字に書いて教えることが出来ません。
本人の中に受け取る土壌が出来ていなければ芽は伸びてくれません。
こばとの療育は何よりも心をのばすことを目的にしてきました。
そのための学習であり、縄跳びであり、自転車であり、合宿でした。
再出発ブログでは世間の 誹りを恐れず、順を追って
心をのばす子育てについて書いてみたいと思います。